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 Diary 2001・4月13日(FRI.)

京都の秘境

 可能涼介から電話。ゴールデンウィークにそちらに帰ったら京都の秘境を訪ねる予定なのだが一緒に行かないか? という内容。京都の秘境? いったい何処だろうか。可能によるとそれは、笠置や木津のあたりにある「童仙坊」という所らしい。何故そこが秘境なのか。

 近松秋江の作品で「黒髪」というのがある。その主人公が恋着し追いかける女性の実家が、童仙坊にあるという。主人公は女性をおいかけて童仙坊の近くまで行くのだが、行き着けず、恐くなって帰ってしまうのだ。この小説は私小説らしく、主人公のこの経験は近松秋江の実際の経験でもあるようだ。さらに、文芸評論家の大杉重男がこの謎をつきとめようと、今から 10 年ほどまえに童仙坊に向かったらしいのだが、大河原駅という所までは電車で行ったものの、そこからはバスもタクシーもなく、仕方なく歩いて向かったが、結局行き着けず、恐くなって帰ってきたそうだ。何故行き着けないのか? それよりも、何故恐くなったのか? 果たして可能は行き着けるのか? そして私は…。

「でもゴールデンウィークって、店を休まれへんやん。」

「まあ、そうか。じゃあ、もし時間がとれたら。ダメならオレひとりで行く。」

 果たして可能は恐くならないのか? そんなことより、京都の人でこの「童仙坊」について何か知っている人は、おられないでしょうか。別に京都の人じゃなくてもいいんだけれど、何か御存じの方は、わたくし神山まで御一報下さい。

小川顕太郎 Original:2001-Apr-15;