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 Diary 2001・4月3日(TUE.)

映画館文化の行方?

 ババさん及びミツギちゃんが、えらく怒りながら来店。いったいどうしたことかというに、本日弥生座にて行われた増村保造レトロスペクティブの中の一本『暖流』の上映が、酷いしろものだったのだそうだ。画面は傾く、サイズは違う、音は出ない、ピントがぼやけている、話しは飛ぶ、つなぎの失敗が露骨に分かる…と、ちょっと信じられないような上映だったという。

 私は、それなら当然観客はみな激怒して暴動、それを収めるために弥生座及び RCS 側は大変だったであろうと想像したが、どうやら事態は違ったようで、上映の修復に必死に走り回る映画館側の人間に対して観客は拍手、払い戻しも行われなかった、という。「だから『映画好き』の人間は嫌いなんじゃ!」とババさんは憮然とする。確かにそれは気持ちの悪い馴れ合いだ。そこまで酷い上映をしたのなら、修復に走り回るのは当たり前だろう。「焦っているのは分かるけど…、上映中に何度も何度もドアを開け閉めして出たり入ったり、ドタドタと館内を走り回ってなにか言っているっていうのは、やはりお客さんに対して失礼だと思う。もう、私も気が気でなくって…」とミツギちゃん。

 むうう、それ、酷すぎないか? そんだけやって払い戻しもなし? 払い戻しどころか、損害賠償を払うべきじゃないの? RCS のイワサキくんが、苦渋に満ちた顔で答える。「いや、確かに僕も自分の気持ちとしては当然払い戻し、あるいは招待券を配るべきだと思ったんですよ。しかし、最後まで観たなら払い戻しは出来ないとか、どこが最終的な責任を持つのか、とか色々とややこしい事があるんですよ…。いや、ほんまに申し訳ないです。」

 現在の映画の上映は、基本的に全自動らしく、ほとんどの所がバイトくんを使って上映を行っているという。まあ、全自動なので、たいていは問題なく上映できるのだけれど、何かトラブルが起った時に、バイトくんでは対応できなく、問題になるという。

「いや、全自動だからって、ちゃんと上映できている所なんて、河原町にはないですよ。たいていはピントが甘いし。河原町にまともな映画館はなし! はやく二条城の所にシネコンができたらいいのに」とババさん。

 しかし、今回の場合は、当然やるべき試写をやっていなかった疑いがあり、それ以前の問題だ。

「とにかく、ボクは一生許さないから。あいにくさっぱりした性格じゃあないもんで。一生ネチネチと攻め立てるから、そのつもりで。」と、ババさんは言い残して帰っていった。

 イワサキくんは、別にイワサキくんが直接責められていた訳ではないけれど、「つらいなあ」と呟いて、ジントニックを呷っていた。

 昨日、今日と恐ろしく暇。四月にはいって何があったんでしょう。昨日、今日とまたぞろ寒さがぶり返しているので、そのせいでしょうか。私もお酒の量が増えます。

小川顕太郎 Original:2001-Apr-5;