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 Diary 2000・10月4日(WED.)

話を聞かない男、
地図が読めない女

 トモコがババさんから借りた『話を聞かない男、地図が読めない女』アラン・ピーズ & バーバラ・ピーズ著(主婦の友社)を読んでいる。私はこの手の疑似科学本が、と読んでもいないのに決めつけるが、大嫌いである。この本は、人間には男脳と女脳があって、それによって男女の様々な行動パターンや思考パターンが説明できる、と主張しているらしい。私がこの本を読んでもいないのに疑似科学本と決めつける理由は次のようなものだ。

 まず、男女の行動パターンや思考パターンの違いを取り上げる本というのは、大抵の場合、世間で流布している通俗的な偏見に依っている。科学的な装いを凝らす場合は、統計に依るという形をとるのだが、この統計というものがまた、統計のとりかたや解釈の仕方でいかようにでもなる、限りなく疑似科学に近いものだ。

 次に「脳」というのがまた胡散臭い。実際の所、「脳」のことなどほとんど分かっていないようなものらしい。そして研究は日進月歩のスピードで進んでいる。つまり、現在正しいとされている事が、来年にはひっくり返るかもしれない。という事で、いくらでもいい加減な事が言い放題の領域だ。少なくとも、男女の差のような、大幅に文化・環境の影響を受けているであろう事を、「脳」のような胡散臭い領域に根拠づけて説明する、というのは科学的ではない。故に私はこの本を疑似科学本と決めつけるのだ。

 ところで、私と違い、トモコはこういった疑似科学本が好きだ。すぐに「それは遺伝子の生き残り戦略よ!」等と言ったりする。そして私がその事に難色を示し、ムキになって間違いを正そうとすると、うんざりしたような顔をして、「あーあ、つまんない」と言う。トモコに言わせれば、このような疑似科学は占いと一緒で、半信半疑で遊んで楽しむものだ、ということになる。そういえば私はまた占いが嫌いだ。未来なんて分かる訳ないじゃないか! どうしたって、そんなもので楽しむ事が出来ない。トモコ曰く「それって男脳だからよ」。あああ!! 違うってば!!

 最悪な事に、この本には「男脳・女脳判定テスト」というものが付いている。案の定、トモコは嬉々としてやっている。そして嫌がる私に無理矢理やらせるのだ! もう、最悪。

 このテストによると、トモコはかなりの女脳。ババさんはバリバリの男脳。ううむ、これだけ見れば当たっているなあ。で、私はというと、ジャスト真ん中。つまり男脳と女脳のちょうど中間だった。これは、当たっているのか? 自分ではよく分からない。

 今日のオパールは暇だった。そしてバリバリ男脳のババさんと一緒に、カウンターで「ナショナリスト宣言」をする。アンチグローバリズム!

小川顕太郎 Original:2000-Oct-6;