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 Diary 2000・10月3日(TUE.)

ダ・パンフ再び

 ババさんが今月号の「デザインの現場」を持ってきていて、「ほら」と見せてくれる。そこには映画関連グッズ、パンフレットやチラシや試写案内状、等の最近の新傾向が紹介してあり、当然デザイン的な観点から取り上げられているのだろうけど、我々が言うところの「ダ・パンフ」が満載されていて、笑ってしまった。

『キラーコンドーム』のコンドームの箱入りパンフとか、『奇人達の晩餐会』の紙で作った皿やフォークの入ったパンフレットだとか。勿論、肯定的に取り上げられているのだ。ここまで対立的だと、なかなか愉快ですね。

 そこにはそういった新傾向を押し進めている側の意見も載っていて、なかなか興味深い。それによると彼等の現状認識は、今の人達は手間もかかるし、お金もかかるので、基本的に映画館に来ない、そういった人達を映画館に呼ぶには付加価値を付けまくって、映画館に来ることにイベント性を持たさなければならない、というもの。なるほど。

 彼等の現状認識が間違っているとは一概には言えない。しかし、ババさんやヤマネくんのような映画フリークは別格にするとして、私程度の映画ファンでも、映画館に行く事が、他の遊びに較べて手間がかかるとかお金がかかるとは思わない。そしてそのように感じる映画ファンにとって、デザインには凝っているが内容が薄く、値段も高いパンフレットは、やはり「ダ・パンフ」なのではないだろうか。ということは、彼等は、映画ファンは放っておいても勝手に映画館に来るので蔑ろにし、むしろ映画に興味がない人達をなんとか楽しませようと頭をひねっている、ということになるのではないだろうか。ううむ、それは本末転倒とちゃうか?

 ババさんは「作り手・クリエイター重視で、受け手・消費者が無視されている。」と苦笑いしていたが、私はさらに、無視されている消費者の中で最も蔑ろにされているのが映画ファンだ、と言いたい。映画を送り出す側が、映画ファンを蔑ろにしてどうするねん。今再び、アンチ「ダ・パンフ」! と叫ばなければならない。アンチ「ダ・パンフ」! アンチ国民総背番号制! アンチグローバリズム!

 今日はヒロキくんが途中で仕事を抜けて、みなみ会館に『コフィー』を観に行った。その間、私とオイシンで店を切り盛りする。BGM は勿論『コフィー』のサントラ。ロイ・エアーズのバイブが炸裂する。殺せ! パム! 殺せ!!

小川顕太郎 Original:2000-Oct-5;