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 Diary 2000・11月4日(SAT.)

臥虎蔵龍

 美松映劇に『グリーン・デスティニー』を観に行く。公開 2 日目、土曜日、最終回であったにも関わらず、観客はほとんどいず。そして、映画は凄く面白かった。

 まずはアクションが凄い。アクション監督は、最近では必ず「『マトリックス』の…」という冠詞がつくユエン・ウーピンだが、『マトリックス』の何十倍も凄い。これだけでも観に行く価値ありなのだが、話もなかなか面白い。ごくシンプルなストーリーの中に、階級的な視点や民族差別、武侠社会自体の持つ男女差別や、師匠・弟子関係の非対称性などが導入されており、深みと緊張感がある。そして映像が美しい。全体の雰囲気が、いわゆるアクションものによくある陽性のものではなく、翳りを帯び、静かさを湛えているのも印象的で、良い。

 しかしこのような集客状況では早々に打ち切られる可能性もあるので、気になる人は急いで行ったほうが良いだろう。絶対に、スクリーンで観るのをお薦めする。

 クラタニくんが来店。11 月 2 日にベイサイドジェニーで行われた「FEEL THE RAGE」に行ってきたという。これは言ってみれば秋のモッズメーデーで、関西のモッズが集まるのだけれど、今回は 60 年代に拘るのではなく、モッドの現代的な解釈で新しい試みを行う、と聞いていたので、クラタニくんも興味津々で会場に向かったのだそうだ。が、会場に一歩踏み込むと、そこに流れていたのはジャパニーズヒップホップ! フロアーはガラガラ。ライブになるとニット帽を被った人達が日本語でラップをしまくる。モッズ君達は困惑した表情でドヨ〜ンとしている。

「ううん、それってスクービーみたいなものを目指しているの?」と私。

「いやもう全然そんな感じじゃなくて、ただのヒップホップでした。別に今日せんでも、って感じで」とクラタニくん。

 新しい試みは、それとしては歓迎されるべきだが、しばしば勘違いに終わる。難しいものです。

 本日もなかなかに忙しかったです。

小川顕太郎 Original:2000-Nov-6;