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 Diary 2000・5月18日(THU.)

EXPO'70展/アリス

 国立国際美術館に『岡本太郎と EXPO'70 展』を見に行く。私は 69 年生まれなので、万博のあった年にはもうこの世に生をうけていた訳だが、万博の記憶は全くない。だから私の万博や太陽の塔に関するイメージは、ほとんど長じてから形成されたものである。

 それは例えば古着屋に行った時に飾って有る万博グッズを見つけ、欲しいと思って手にとれば「非売品」であって悔しい思いをしたり、澁澤の「万博を嫌悪する」を読んで、万博の思想的意味合いに思いをめぐらしたり、などといった事がらの積み重ねで形成されたものである。

 また今回の展示は「岡本太郎」にも焦点が合わせてあり、岡本太郎の絵画作品や彫刻、家具なども展示されている。岡本太郎というのも難しい人で、私が最初に抱いた彼のイメージは、例によってあの「芸術は爆発だ!」の奇人・勘違い野郎というものだ。

 今回の展示でも、彼の言葉などを読むと、「祭り」とか「無償」「混沌」などあまりにも分かりやすく勘違いしているとしか思えない言葉の連発。しかし、彼の作品自体には、そういった感想を打ち消すぐらいの力がある事も事実なのだ。だからだろうか、ここ 5 、6 年は岡本太郎の再評価が急激に進んでいるし、若い人達の間でも人気があるようだ。なんにせよ、まず見ないと話になりません。

 太陽の塔のレプリカを買う。

 京都に帰って、みなみ会館でヤン・シュヴァンクマイエルの『アリス』を観る。期待通り面白かった。とにかくなんでもやる少女アリスが印象的。クッキーがあれば食べる、インクがあれば飲む、おがくずがあれば食べる、ドアがあれば開ける、入れそうな所があれば入る、缶詰があれば開ける、石があれば投げる……。そんなに何も考えずになんでもかんでもやってしまっていいのか! と思わず声をかけそうになる。少女とは恐ろしいものです。

小川顕太郎 Original:2000-May-20;