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 Diary 2000・3月15日(WED.)

クラタニくん大いに語る

 キタアキくんとマイちゃんが正午には起きたいと言ったので、午前 11 時半に目覚ましをかけ、起こしてあげようと思っていたのだが、案の定起きたら 12 時半だった。慌てて朝食の用意をする。幸い二人が時間に融通をつけてくれたので、お風呂に入ってもらい、コーヒーを 4 人で飲んでから、送り出す。キタアキくん、マイちゃん、ロンドンでの健闘を祈る。

 昨日とは打って代わって静かなオパール。マツヤマさんとヤタくんが待ち合わせをして来店。最近は焼鳥屋に凝り、毎日通っているマツヤマさんだが、今日も焼鳥屋帰りだ。

 パットのヤタくんがもうすぐフランスに遊びに行ってしまうため、次回のクルージンは欠席。で、なんと次回のクルージンはマツヤマさんが仕切る「ロマン座ナイト」となるそうで、その相談をしていたのだ。これは大いに期待できそうです。

 クラタニくんが来店。昨日キタアキくんとマイちゃんが来ていたと言えば、会えなかった事をとても残念がる。そして「二人にとって今が一番不安な時期でしょう」と同情を露にした顔をし、自らのイギリス体験を語り始めるのだった。

 なんでもクラタニくんは、イギリスへ発つ 1 週間前になると、不安のあまりイギリス行きが非常に嫌になり、さらにはイギリス嫌いにまでなって、「オレは絶対に行かない!」と駄々をこね、出発当日になってもベッドにかじりついていたのを、当時のガールフレンドとお母さんが無理矢理ひきはがし、荷物を用意し、関西空港まで連れていったのだそうだ。

 着いてからも悲惨で、ハートとソウルで言葉は通じると信じていたクラタニくんの信念は瞬く間に崩れ、ホームステイ先の家の部屋に隠って、緊急に日本から取り寄せた中学生時代に使っていた「5 分間ドリル」をやる毎日。床に耳をつけて、階下で楽しげに談笑するホストファミリーの話を聞き、それでも何を笑っているのやらさっぱり分からず、「死にたい」と呟いた事も再三ならずあったそうだ。

 そんなクラタニくんを救ったのがロッキーホラーショウとノーザンソウル。ロッキーホラーショウは、クラタニくんも日本で観ていて気に入っていたので、ロンドンでやっていると聞き、なつかしさもあって行ってみたのだが、そこで米粒を投げたり傘をさしたり踊ったりするロッキーホラーショウマニアの人達に遭遇し、すっかりはまって連日通い詰め、最後には全台詞を覚えるまでになったという。

 そしてノーザンソウル。当時モッドであったクラタニくんは、モッドのイベントにはなるべく行くようにしていたのだけれど、そこで出会う「ノーザンソウル」という聞き慣れぬ単語に困惑し、「もしかしてこれは…究極のモッドミュージック!!」と勘違いして、ケブ・ダージも廻していた「ノーザンソウル・オールナイター」というイベントにモッドスーツを着て行ったのが始まり。

 もちろん、ノーザンソウルシーンではモッドは嫌われているので、クラタニくんは浮いていた訳だが、よく分からないままモッドスーツでノーザンソウルのイベントに通い詰め、ついにはノーザンソウルの虜となって日本に帰国し、モッドのイベントでノーザンソウルをかけアクロバットな踊りを展開するキタアキくんに出会い衝撃を受け、現在の「ソウルサバイバーズ」主催に至るという事だ。

 クラタニくんの語り口調は独特のユーモアがあり、私とトモコとババさんはのたうちまわって笑い転げる。お客さんが少なくて良かった。

小川顕太郎 Original:2000-Mar-16;