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 Diary 2000・3月13日(MON.)

京都幻想

 ババさんとキイチさんが揃って来店。二人で京都幻想について論じ合う。どうやら一部の人々の間で、京都はお洒落な街だという「京都幻想」がはびこっているようだ。これについては私も前から感じていて、特に東京あたりから来た人に多いように思う。こういった人達は、オパールの事をとても気に入ってくれて褒めてくれるので、私としても嬉しいし、有り難くもあるのだが、話をしていると、過剰と思えるぐらい「京都」という街の良さを讃える。

 最初のうちは、他人の家の芝生は綺麗にみえるものだと納得していたのだけれど、「京都に引っ越してくるのが夢」だと言う人まで続々現れるにいたっては、なにか異様なものを感じるようになった。メディア上での扱いも、「京都系」という言葉まで現れ、京都は「ポップ」で「お洒落」で「パリ」な街、といったものが増えてきたので、それを軽く揶揄するつもりで「京都パリ化反対」という運動を冗談でやってみたのだが、意外に強い反発にあい、驚いた。みんな本気なのであろうか。

 私にとっては京都は一地方観光都市に過ぎない。観光する所はたくさんあるが、遊ぶ所はそんなにない。修学旅行生とヤンキーが溢れ、お洒落な人など滅多にいない。一乗寺あたりは美大生が多いが、田舎であることには変わりはない。最大の難点は、ろくな本屋やレコード屋がない。もちろん全然ない訳ではなく、頑張っているいい店もあるのだけれど、電車で 40 分程で行ける大阪には、同程度かもしくはもっといい本屋やレコード屋がたくさんあるので、どうせならと大阪まで行ってしまう。さらに付け加えるなら、いい名画座がない。みなみ会館がひとりで封切館と名画座と二番館の役割を全部兼ね、獅子奮迅の活躍をしている有り様だ。道が狭く、車がひしめいている。一体どこらへんに、どんな幻想を抱いているのだろうか?

 悪口ばかりを並べたようだが、もちろん私とて京都が嫌いな訳ではない。別に好きでもないが。京都には現在日本の演劇パフォーマンス界で最高峰に位置すると思われるダムタイプがいる。私はみたことがないが。また、私は興味がないけれど、若い子に大人気のデザイン集団「グルービジョンズ」がいた。今は東京だけれども。思想界で隠然たる力を持つ浅田彰もいる。最近は割と好き。共産党も強い。バスの運転は乱暴。税金は高い。白足袋が権力を持っているというが、関係ないので嘘かホントか分からない。まとまりがなくなってきたのでこのへんで。

小川顕太郎 Original:2000-Mar-15;