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 Diary 2000・3月8日(WED.)

岡本公三

 昨日BBSで足立正生情報を求めたところ、早速ババさんからレスがあったので、その教示に従ってインターネット上の足立正生情報を拾い読みした。

 するとどうやら新聞などでは、「ベイルートの 5 人」を岡本公三で代表させているようだ。これは当たり前かもしれない。世間的には、『略称・連続射殺魔』を撮った足立正生よりも、テルアビブの空港で銃を乱射して無差別テロを行った 岡本公三の方が有名なのだろう。

 ここで断っておくと、私は岡本公三達のテルアビブ空港でのテロは、どうしたって肯定できない。あの事件は根本的に過てるヒロイズムだと思う。イスラエルの法廷で「僕達はオリオンの三つの星になりたかった」と言ったという伝説も、鼻白むばかりだ。この伝説を受けて、京大西部講堂の屋根には三つの赤い星が描いてある。岡本公三と共にテロを行い爆死・射殺された安田と奥平、それに事件の前の訓練中に死んだ山田という三人の京大生の「星」だという。私は昔からこの話が好きではない。故に京大西部講堂も好きではない。

 大体私は 10 代から 20 代の前半にかけて、左翼的なものが大嫌いであった。三島由紀夫が好きだったし、福田恒在を敬愛し、小室直樹に私淑していた。それがここ数年、世間が右傾化しているせいか、俄然左翼的なものに興味が出てきた。逆説的に光りだしたとでもいおうか。が、それでもなお、岡本公三のやったテロは肯定できない。右であれ左であれ、自己満足的なヒロイズムには我慢できない。私の興味はそこにはない。

 ところで家で飲んでいるコーヒーは、オオヤさんの「チェ・カフェ」で買っているのだけれど、このコーヒー豆の袋には、真っ赤な星が三つ輝いている。もちろんこれは「オリオンの三つの星」だろう。こういうセンスは割と好きだ。しかし、オオヤさんは今回の「ベイルートの 5 人」釈放をどう思っているのだろうか。一度聞いてみたいものだ。

小川顕太郎 Original:2000-Mar-9;