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 Diary 2000・6月13日(TUE.)

貼り紙

 つい先日、家のそばを散歩していると「巨人 好き」と書かれた貼り紙が目に入った。この貼り紙はマンションのエントランスの壁の片面に貼ってあったのだけれども、ふと反対側の壁を見ると、「野球 嫌い」と書いた貼り紙も貼ってある。少し気になったが、そのときは何となく行きすぎてしまった。正直に言うと、その時は酔っぱらっていたのだ。

 昨日、ヤマネくんと居酒屋に向かう途中で、この貼り紙の事を思い出して、そのマンションまで行ってみた。すると貼り紙が「喋んな糞ババア」に変わっていた。反対側をみると「黙れクソガキ」という貼り紙がしてある。何なのだろうかこれは。

「喋んな糞ババア」と大書してある下の部分に、小さな文字で何やら書いてあるのでそれを読んでみる。それは「衣食足りすぎて礼節忘れる」と題した説明文で、要するに最近の子供は礼節・言葉遣いを知らない、というお説教だった。

 なるほど、これは町の慨嘆家が個人的にこんなものを貼っているのだな、と思い足下に目をやると、「ご自由にお持ち帰り下さい」としてこの貼り紙が大量に置いてある。一枚手にとる。するとこの貼り紙は裏にも文章が書いてあって、「子供を甘やかしすぎていませんか?」などといった短文がずらずら並べて書いてあり、最後に「修塾」とあって、塾長らしき人の名前が書いてあった。目をあげると「修塾」と書いた看板がある。これらは「修塾」の宣伝だったのだ。

 こういう塾に子供を行かせる親がどれだけいるのか分からない。ただ人目をひくキャッチコピーのセンスだけは大したものだと感心した。インパクトの強さに加えてユーモアも感じられる。民主党が選挙用ポスターに、黄色地に墨書で「穫る」と大書されただけのものを作っているが、これなど人目は引くがそれだけだ。地下鉄の吊り広告の選挙用のものなど、「21 世紀の日本に投票しよう」だ。センスが悪いだけではなく、頭も悪い。みんな「修塾」に入って勉強し直せばよいと思う。

 とりあえずはオイシンにその貼り紙をやった。だが未だに自分のホームページ名を変える気配はない。

小川顕太郎 Original:2000-Jun-15;