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 Diary 2000・7月22日(SAT.)

過呼吸

 オオヤさんが豆を持ってくる。最近オオヤさんは土方の仕事に行っているそうで、この間その仕事で穴を掘っている時に、はりきり過ぎて過呼吸になり、ぶったおれたそうだ。

 その時に周りの一緒に働いていた土方の人達はオオヤさんを囲んでゲラゲラ笑いながら、呼吸できずに苦しむオオヤさんをみていたそうで、オオヤさんも昔はよく土方仕事をしたのでそういった現場の雰囲気は知っていたものの、久しぶりに現場に来たためにそういった感じを忘れていて、苦しい胸を押さえながら笑い声を聞くのは、「新鮮でした」とのこと。

 昨日トモコが階段から落ちたという話を私がすると、オオヤさんは「可哀想に。でも面白いよね」と言う。確かに、人が突然倒れたり階段から落ちたりするのは面白いものだ。ブニュエルの「自由の幻想」で、一人の男が街中の高層ビルの上から無差別に街にいる人達をライフルで撃ち殺していくシーンがあったが、あれなんか爆笑ものだった。なんの理由もなく、全く突然にライフルで撃たれ、街の至る所で人々がコロコロと倒れていくのだ。もしブニュエルをよく知らない人がこの文章だけを読むと、なんて酷い! そんなの笑い事ではないではないか! と思うかもしれないが、いやほんとにおかしいのだ。モンティパイソンっぽいというか。えっモンティパイソンも知らない? ううん、これは困りましたな。じゃあ、こんなのはどう。

 よくお店に来てくれるロシア人とのハーフのお客さんから今日聞いた話。ロシアでは冬になれば毎日のように素晴らしい芸術品で街は溢れるそうだ。その芸術品とは。アル中の貧乏人がウォッカのコップを握ったまま凍死して出来る人間彫刻。…どう? その場面を頭に思い浮かべればおかしくない? まあ、これは有名なジョークらしくて、有名なジョークにふさわしくあまり面白くありませんね。

 で、このお客さんから聞いたのだけれど、ロシアでは水よりもウォッカの方が安いそうだ。それなら、暖まるし喉の乾きも潤うしという事で、みんなウォッカを飲んでいるという。いい国だ。でも安物のウォッカはメチルアルコールがかなり混ぜてあるらしく、飲むと頭が痛くなるという。う〜ん、それって戦後日本の闇市で出回った「バクダン」と一緒では。飲むと目が潰れたり死んだりするという。メチルアルコールはエチルアルコール(酒精)より少し揮発性が高いので、暖めてメチルアルコールだけ蒸気化させて、そこにすかさず火をつけて燃やしてしまって飲むんだよね。ロシアの人もそうやって飲んでいるのだろうか。今日は聞きそびれたので、また今度来たら訊いてみよう。それにしても暑いね。

小川顕太郎 Original:2000-Jul-24;