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 Diary 2000・7月18日(TUE.)

赤軍 RED ARMY

「文藝」の 2000 年秋号で、『緊急特集・赤軍』という特集をやっている。さすがは裏・インパクション! とはいうものの、所詮「文藝」なので、薄っぺらい特集ではある。が、それでも、こんな若者向けの雑誌で赤軍の特集をやるのはイイことだと思う。サブカルチャーですな。願わくば小説が載っていなければもっといいんだけれど。

 それはとにかくこの特集。足立正生の東京警視庁・留置場での特別手記にはじまって、松田政男のインタビュー、鵜飼哲と平井玄の対談、など薄っぺらながらもなかなか興味深い内容となっている。個人的には長谷川和彦のインタビューが面白かった。長谷川和彦はやはりいまだ映画『連合赤軍』を撮るつもりで、脚本も書き続けているという。現在の案では、16 時間にも及ぶ大作で、ビクトル・エリセの『エル・スール』みたいなものになるそうな。観たい。是非とも撮りあげて欲しい。

 あと、赤軍といえば私はどうしたってテルアビブ空港での銃乱射事件=ディル・ヤシン作戦がひっかかる所なんだけれど、それに関しても新たな光があてられた。勿論、彼等の言い分が、自分達はチェ・ゲバラの線上にある国際主義的な理念を体現しているんだ、という所にあるのは知っていたけれど、私にはどうにもそうは思えなかった。国内で行き詰まって、海外に逃避したようにしか思えなかった。何故なら、あのディル・ヤシン作戦は、国際義勇軍として参加した戦争というよりも、どうみたってテロ行為にしかみえないからだ。

 しかしながら現地ではあの事件の事を、「パトリック・オルゲロ記念コオペレーション」と言っているらしく、パトリック・オルゲロというのは最初にパレスチナにやってきた義勇兵の名前で、つまり現地では完全にあの事件は国際的な連帯闘争の象徴として、その大きな流れの中に組み込まれているという事だ。パレスチナ解放闘争には、世界中から大量の無名の革命家がやってきて、闘い、死んでいった。その闘いというものは、私のように日本の片隅にいて無知なものにはとうてい分かるようなものではない。私の目からみて、ただの無茶なテロにしかみえないものも、もっと大きな流れ――スペイン革命以降の国際主義的な闘いの流れからみれば、また違ったものなのかもしれないと、思った。まあ、まだよく分からないんですが。

 家に帰る途中にコンビニに寄り、妖怪フィギュアを買う。青坊主。通常彩色版だった! イエーイ。青坊主が「墨絵風彩色版」だったら、やっぱり嫌だもんね。青坊主は青くないと。それにしても、本体であるキャンディーが溜まっていく。どうにかならんか。

小川顕太郎 Original:2000-Jul-20;