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 Diary 2000・7月13日(THU.)

ぬっぺっぽう

 ちょっと用事があってコンビニに行く。そこで用事を済ませ、帰ろうと思った瞬間に目に「百鬼夜行」という文字が飛び込んできて、思わず足を止めた。どうやらオマケ付きのお菓子らしいのだが、お菓子の方がおまけのようなもので、要はキャンディー付きの妖怪フィギュアが売っていたのだ。

 種類は全部で 8 種類で、箱の裏にその 8 種類の写真が全て載っているのだが、どれもこれも素晴らしくみえる。おまけに造形総指揮は『ガメラ 3 』などにも協力している竹谷隆之、妖怪解説は京極夏彦とも親しい妖怪研究家の多田克己。多田克己は京極夏彦の小説『塗仏の宴』にも多々良勝五郎という名前の妖怪研究家として登場し、京極堂と互角に妖怪談義を交わしている。そういえばこの 8 種類の妖怪のセレクションからして少し変で、「アミキリ」「カマイタチ」「ぬらりひょん」あたりはポピュラー故に納得できるにしても、「ぬっぺっぽう」や「狂骨」が入っているのはどうにも京極ワールドくさい。むーん、という訳で「ぬっぺっぽう」を買って帰る。300 円なり。

 家に着いたらさっそくあける。素晴らしい。素晴らしいのだが、ちょっと納得できない。実はこの妖怪フィギュア、どういうわけだか「通常彩色版」と「墨絵風彩色版」の 2 種類ある。暗い所で光るやつもごく少数存在するらしいのだが、まあ普通はこの 2 種類だけと考えてよいみたいだ。で、問題は、買って開けてみるまで、どちらの版が入っているか分からないという事なのだ。つまり、もし自分の欲しい方の版が入っていなかったら、その版にあたるまで同じものを買い続けなければならない、という事だ。

「墨絵風彩色版」といったって、要は黒の濃淡だけで、まあ色がついていないフィギュアと言っても過言ではないと思う。実際、写真は全て綺麗に彩色してある「通常彩色版」が使われているし、普通の人は「通常彩色版」が欲しいと思う。私も「通常彩色版」が欲しい。という事は「墨絵風彩色版」が圧倒的に多数あって、「通常彩色版」はほとんどないのではないか? その方がみんな買い続けなければならない訳だし、と危惧の念を抱きながら、開けると…やっぱり「墨絵風彩色版」だった!! ガーン!!

 ムチャクチャ悔しい。フィギュアの出来がいいだけによけい悔しい。それにしても阿漕な商売だと思う。だから形だけの「オマケ付きお菓子」にした訳だ。「オマケ」なら何が入っているか分からなくてもいいわけだし。ううん、次は「狂骨」を買うか、もう一度「ぬっぺっぽう」に挑戦するか、悩む所だ。

 それにしても「注・この商品は御祓い済みです。」と注意書きがしてあるのだが…一体誰が祓ったのだろう。京極夏彦? だったら面白いんだけれど。

小川顕太郎 Original:2000-Jul-15;