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 Diary 2000・7月2日(SUN.)

可能涼介からの電話

 店が終わって片付けていると、可能涼介から電話。相変わらず何を言っているのかよく聞こえない。だから電話は嫌なんだ。しかし頑張って聞き取ると、どうやら座談会をやった時の話をしているらしい。その座談会には映画監督の青山真治が出席していたようで、青山真治の背は高かった、やはり映画監督は背が高くなければダメだ、と言っていたような気がする。

 その座談会と同じ時の話なのかどうかは分からなかったが、坂本龍一とも同席したようで、坂本龍一の背は低かった、オレより低かった、やはり音楽家は背が低いとダメだ、とは言わなかったような気がする。何を言っているのやら、よく分からない。

 はっきり聞き取れたのは、ある映画の試写会で四方田犬彦と一緒になった時の話で、四方田は映画を観ている間ずっとブツブツと罵倒とも何とも言えない言葉を呟き続け、メモをとる音がひたすら静かな館内に響いて、とてもやかましかったという。「やっぱり映画評論家は‥‥」何と言ったのか聞き取れなかった。

 どっと疲れて受話器を置き、片づけを続けた。

小川顕太郎 Original:2000-Jul-4;