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 Diary 2000・4月5日(WED.)

オイシン散髪

 昨日ロマン座で散髪をしたオイシンが、妹のタマコちゃんを連れてやってくる。まるで別人のようになったオイシンにみんな驚き、賛辞の嵐。しかし、本人はいまひとつどこがどう良くなったのか分からないらしく、褒められれば褒められるほど不安げな様子になっていく。

 今までのオイシンは、本人がいくら「ヤンキーは嫌、ヴィジュアル系なんて最低」と言っていたとしても、完全にヤンキー、ヴィジュアル系の美意識の中に生きていた。それはもう髪型から服装に至るまで、他の人から見れば一目瞭然だったし、チェッカーズとブライアン・アダムスが好きというのも典型的なヤンキーの好みだ。オイシンのあまりにもひどい文化に対する無知も、要するに違う世界に住んでいたからで、それをオイシンは少なくとも髪型のレベルでは乗り越えたのだ。だからこそ別人のように見違えたのであり、みんな驚いたのだが、まあまだ本人はよく分からないのだろう。

 オイシンは「たかが髪型を変えたぐらいでそんなに変わりますか?」と言うが、確かに髪型が変わったぐらいでは何も変わっていないとも言えるだろう。しかし、オイシンが自発的にロマン座に行き、今のような髪型にして貰ったという事が「変化」の兆しなのだ。オイシンはもう覚えていないかもしれないが、私は会った当初からその髪の毛を切れ切れ切れ切れと言っていたはずだ。しかしその頃のオイシンはそんな私の忠告をなんとも思わず、聞き流していた。「ボクはこれぐらい髪の毛の長さがあった方が似合うんですよ」といつも言っていた。それが、自発的に自らの改造にとりかかった。オパール皆勤 4 カ月目にして、オイシンが変わりつつある。おかしい。

 次はとりあえず服装だろう。まず今の黒服をやめなければならない。オイシンは「どうにも無難な色を着ちゃうんですよ」と言っていたが、黒はちっとも無難な色ではない。最も難しい色だといってもよい。お洒落の事がちっとも分かっていない人の陥りやすい間違いである。明るい色のものを身につけることから始めたらよいと思う。

 最終的には中身も変わらなくてはならないのだが、それはもう少し先の事だろう。薬や電気ショックを与える機械を用意しなければならない。しかし私が何故そこまでしなくてはならないのだろうか。

小川顕太郎 Original:2000-Apr-7;